マンション経営・アパート経営

マンション経営・アパート経営

1.マンション経営とは

マンション経営では、建築や購入したマンションを賃借することで得られる賃料収入と、マンションを売買した際に得られる差益の2つが収益の柱となっています。

前者は、資産を保有することで得られる利益であることからインカムゲインと呼ばれ、家賃がそのまま収入となります。後者は、資産を売買することによって利益を得ることで、キャピタルゲインと言います。

マンション経営に似たものとしてアパート経営がありますが、賃料収入を得ていくという点は同じです。

一般論としてアパートは木や軽量鉄骨などで建築されたものであるのに対して、マンションは鉄筋コンクリートで建築されているものを指していますと。ただし、マンションの定義は建築基準法で決められてはおらず、実際のところは明確ではありません。

遮音性・安全性・防犯性・耐久性などに関してはマンションが優位です。一方、マンションは建築コストがかかる分賃料に転嫁されるので、立地や広さ、築年などが同じ条件のアパートよりも家賃が高いケースがあります。

また、マンション経営やアパート経営と一口に言っても、もともと所有していた土地を活用するためにその土地にマンションもしくはアパートを建築して行うものと、不動産投資として購入した物件を貸し出す賃貸経営の2パターンがあります。

ここでは主に「土地活用」のケースについて見ていこうと思います。

2.マンション経営のメリット

土地を所有されていると言ってもケースによってお悩みはさまざまです。

駐車場として貸し出しているが、近隣に駐車場が多くほとんどが空いてしまっている。あてにしていた収入が得られない

・更地を所有しているが、固定資産税が高くて「固定資産税・都市計画税納税通知書」を受け取るのが憂鬱

・空室が多い賃貸アパートを所有している。近隣に新築賃貸マンションが増えてきて、そちらに入居者が流れているようだ。

このようなケースの場合は、税制を利用した有利な土地活用ができるマンション経営が向いていると言えます。

マンション経営にはいくつかメリットがありますが、主なものとして以下の点が挙げられます。

長期的に安定収入を得られる

マンション経営は、長期的に安定した不労収入を得やすいことがメリットの一つです。

その理由として、木造アパートなどに比べてマンションの耐用年数が長いことと、マンション経営が経済情勢の影響を比較的受けにくいことが背景にあります。

マンション経営を老後の収入と考える方の中には、長期運用を前提としているケースが多いので、耐用年数の長いマンションを所有している土地に建築し、経営するメリットは大きいと言えるでしょう。

また、年金だけでなく収入があったほうが急な出費にも対応できるというものです。働きに出るのではなく、所有されている土地に働いてもらうというと分かりやすいでしょうか。

株やFXなどの金融投資商品は、相場の暴落などによって価値が下がるリスクを秘めていますが、不動産の価値はインフレの影響を受けにくいこともポイントです。

節税効果が期待できる

更地と貸家付地(=所有されている土地にマンションやアパートが建っている状態)では、土地の評価額が異なるということはご存知でしょうか。

例えば、土地のみの土地評価額が3億円だった場合、そこに賃貸住宅(貸家)を建築すると約2割減の2億3,700万円となります。

また、マンション経営でかかる経費は、所得から控除することが可能です。

例えば、マンションの建物取得費用は経費として減価償却し、毎年の所得から差し引くことができます。

さらに、サラリーマンの方の場合は損益通算を利用することで、収支が赤字となっている場合に所得税や住民税を節税できます。

他にも税制上の特例を活用した相続税の節税などにも有効なケースがありますので、ご自身の状況に合わせて活用するようにしましょう。

ローンによってより高いレバッジ効果が期待できる

レバッジ効果とは、小さい力で大きな効果をもたらすということです。不動産投資では少額の資金で高額な資産を購入するという意味で使われています。

マンション建築は、アパート建築に比べて建築費が高額なのが特徴です。不動産投資ローンを利用することで高額な資産を保有できるため、高いレバッジ効果が見込めることになります。

3.マンション経営のリスクと対応策

ここでは、それぞれのリスクをご紹介した上で、対応策について解説していきます。。

空室リスク

マンション経営における主な収益は家賃収入なので、空室が発生すればその分収入減となります。

一方で、空室が多くても少なくてもランニングコストは毎月一定額がかかってきます。つまり、空室率が上がれば経営は苦しくなるというわけです。

空室が発生する要因は賃貸市況、競合物件の動向、ニーズとのずれなどさまざまな要因が考えられますので、適切な空室対策を行う必要があります。

また、それほど多くはないものの、入居者トラブルによって退去が増加するといったケースもありますが、これはオーナー様だけで解決することは難しい場合が多いです。

空室を発生させないためには、事前の市場調査が重要になります。

物件所在地ではどのような属性の人が部屋探しをしているのか、競合となる物件の賃料・間取り・仕様・設備などを調査して、ニーズに合った最適な物件を供給できるかどうかを検討します。

周辺エリアの賃料データや情報は不動産会社に蓄積されていますので、相談・情報提供を受けながらマンション建築の方針や経営戦略を構築していきましょう。

ただし、不動産会社によってはその情報量やサービスに大きな差があります。マンション建築の実績や経営戦略の提案力、物件の管理状況も含めて、パートナーとなる不動産会社の力を見極めることは重要でしょう。

建物の老朽化リスク

建物は年数を重ねることで劣化・老朽化します。築年数がだいぶ経ってから一気に直すとなると劣化が進み工事も大掛かりなものとなってしまいます。

費用がかさむだけでなく、入居者に不便や負担をかけてしまう期間が長引くことにもなるので、日頃から定期的・計画的に修理・修繕をしておくようにしましょう。

こうすることで退去を少なくしたり、将来的に売却する場合、理想的な価格で売却できたりといったプラス面につながります。

1棟マンションのオーナー様には修繕義務がありますので、定期的な修理・修繕はもちろん必要なのですが、場合によっては入居者のニーズに対応するリフォーム・リノベーションや建て替えなどを検討する必要もあるでしょう。

基本的には、修繕計画に沿って修繕積立金を積み立てることになります。リフォーム・リノベーションや建て替えの場合は、費用対効果を検証した上で可否判断をするようにしましょう。

その際は、今後かかる維持費を把握するほか、住まいのニーズ・トレンド、物件自体の性能向上(耐震性や気密・断熱性など)を総合的に判断する必要があります。

老朽化して、自分ではどうにもできないから・・・という理由から売却を選択したいという方でも、先祖代々の土地や思い入れのある土地であれば、そう簡単に手放すことは難しいでしょう。

リスクに備えるためには、土地活用に詳しい不動産会社に相談することで売却を回避できる可能性もあります。賃貸マンションを建築する際は、竣工して関係が終わってしまうような会社でなく、長期的にお付き合いできる会社を選ぶというのもリスクヘッジになるでしょう。

地震や火事などの災害リスク

自然災害や地震などが発生すると、建物や入居者が損害を被る可能性があります。

台風や竜巻、ゲリラ豪雨に伴う水害など、日本各地で自然災害の被害は深刻化していますので、リスクが年々高まってきていると言えるでしょう。

地震の場合、1981年6月に施行した新耐震基準以降に建設されたマンションであれば、大きな被害は受けにくいと言われているものの、それに伴う津波や地面の液状化などの被害状況を正確に予想するのは難しいものがあります。

マンション1棟経営の場合、建物全体の補修をオーナー様の責任で行うことになりますので、災害リスクに備えた適切な準備を行っておく必要があります。

所有しているマンションの所在地が災害リスクの高いエリアかどうかは、ハザードマップや自治体のホームページなどで事前に確認することができます。

また、最近は災害があったことを伝える、自然災害伝承碑を確認することも有効と言われています。過去にも目を向けることで、より災害への対策意識が高まり、被害の軽減につながるというわけです。

火災保険は加入が必須ではありますが、保険料が高額な地震保険は経営を圧迫する可能性もあります。やみくもに加入するのはなく、災害リスクの程度を分析した上で、加入を検討するといいでしょう。

4.マンション経営の収入とかかる費用

ここでは、マンション経営で得られる収入と経費について解説していきます。また予備知識として利回りについても説明しておきます。

マンション経営の利回り

マンション経営の利回りは、エリアや想定入居者によって異なりますが、概ね3〜8%程度が理想でしょう。

利回りとは、投資額に対して利益をどの程度回収できるかを示す割合のことで、割合が上がるほど利益を多く得られるということになります。

利回りには3種類あり、それぞれの特徴や算出方法は以下の通りです。

・表面利回り:年間収入÷建築価格×100

⇒年間家賃収入を物件の建築費用で割って算出したもの。不動産物件情報などに掲載しているものの多くは表面利回りとなります。経費は加味されていません。

・想定利回り:年間収入(満室想定)÷建築価格×100

⇒1年間満室だったと想定での利回り。

・実質利回り:(年間収入−年間支出)÷(建築価格+建築経費)×100

⇒実際の利益を把握するためには、実質利回りで考えるようにしましょう。経費(税金・各種費用・手数料など)を引いた額をベースに算出した数字です。

事例)2億円で建築したマンションで毎年2,000万円の家賃収入があり、400万円の経費がかかっている場合の実質利回り

(2,000万円-400万円)÷2億円×100=8%となり、投資額を12〜13年程度で回収できる、という想定ができます。

収入

マンション経営で得られる主な収入は以下の通りです。

・家賃

・共益費

・礼金

・更新料

共益費は、共用部分(廊下・エントランス・駐車場)などの維持費で、家賃の一部として徴収されることが一般的です。礼金は賃貸借契約時、更新料は契約の更新時に支払われるもので、家賃の1〜2カ月分が一般的な相場となっています。

経費

マンションを建築して経営する場合、主なコストとして以下が必要となります。

イニシャルコスト

・マンション建築費

・外構/駐車場整備費

・室内設備整備費用

ランニングコスト

・各種税金(固定資産税・不動産取得税など)

・保険料(火災保険など)

・減価償却費

・維持管理費/修繕費

・管理費

・その他費用

イニシャルコスト・ランニングコストのいずれもマンション経営に必要な経費として計上することができます。

5.マンション経営の失敗談

どんなことにも失敗はつきものですが、そこから学べることは多くあります。ここでは、マンション経営の失敗談をご紹介しながら、注意点を見ていきましょう。

不動産会社はどこでも同じと考えていたら、とんでもないことに

世の中には多くの不動産会社がありますが、どこに頼んでも同じと考えている方も多いのではないでしょうか。 しかし、不動産会社によって得意な分野と不得意な分野は異なります。

つまり専門外のことは、思うような対応をしてもらえないというのが関の山です。土地活用を考えているのなら、専門にやっている不動産会社が望ましいと言えるでしょう。

土地活用から管理までをやっている不動産会社に任せたはずが、アパートやマンションを建てるところまでは熱心で、その後のフォローがほとんどなく、空室に悩まされてしまったという失敗談をお聞きすることがあります。

これは、管理のノウハウがあまりないのにも関わらず、仕事欲しさに受注したという質の悪い業者にあたってしまったケースです。 不動産会社を選定する際には、過去に取り扱った物件の入居率や管理状況なども確認し、トータルで任せられるかどうかを把握することが重要です。

エリアに合わないような設備を設け過ぎて、入居者募集に苦戦

所有している土地を有効活用したいとマンションを建築して賃貸経営を始めたとしても、その物件がニーズにマッチしていなければ空室を埋めることは難しいと言えます。

例えば、学生が多いエリアに設備が充実しすぎている高級マンションを建築したケースがあります。

最近は、まずはインターネットで物件を探す時代です。相場よりも家賃が大幅に高い場合は、その時点で検索条件から外れて、検討対象外になってしまいます。

結果、いつまでも入居が決まらずに、相場の家賃まで減額することとなる場合が多く、それに伴い、借り入れの回収予定が大幅に遅くなるなど、入居者募集はマンション・アパート経営にとって大きなポイントと言えます。

とにかく、ニーズとのバランスを考えながら設備を検討するという点は外さないようにしましょう。

6.経営するマンションを選ぶポイント

立地(都心vs地方)

近年は少子高齢化による人口減少が顕著になってきていますので、多くのエリアで空室率は徐々に上昇し、それに伴って賃料相場も徐々に低下していく可能性があります。

このような状況ではありますが、場所は決まっている、つまり所有されている土地にマンションを建築して経営を検討するのであれば、設備や仕様を充実させるなどして特徴を打ち出すことが、リスクを軽減できる方法と言えるでしょう。

マンションタイプ(シングルvsファミリー)

晩婚化・非婚化の影響もあって、単身者・単身世帯が増加しています。特に都市部に関しては、ニーズが途切れにくいと考えられる単身向けマンションの方がリスクは小さいでしょう。

一方のファミリー向けマンションは、転校させたくないというような理由から、更新を繰り返す長期入居となるケースもあるようです。

マンションvsアパート

新築マンションは耐用年数が長く、長期的に安定した賃料収入が期待できます。広さや立地などの条件の近い中古よりも高く賃料を設定できること、ローンが組みやすいことなどがメリットとなります。

その分建築費がかさむことは念頭に置いておきましょう。

アパートの建築費は構造や規模からして、マンションよりも低くなる可能性が高いです。ワンルームや1Kなどの場合は、単身者や学生、年金生活者などが住むケースが多く、賃料は抑え目という点も覚えておきましょう。

マンションとアパートを比較した場合、一概にどちらが良いというのは難しいところではあります。

そのような中でも、まずはそれぞれの特徴を把握しておくことやエリアのニーズに合っているのかをしっかり検討することが正しい選択にもつながります。

メリット・リスクを理解し、ベストパートナーを見つけることが成功のカギ

ここまで、マンション経営の特徴やメリット・リスク、物件の選び方などを見てきました。

重要なのは、“メリットだけに偏らず、マンション建築や経営ではリスクや注意点も伴うものだということをしっかり認識するということ”というのは覚えておきましょう。

それを理解した上で、戦略を事前にしっかりと立てるのがポイントです。

マンションの建築や経営の戦略立案においては、賃貸市況の分析、競合物件の把握、想定入居者の選定などが重要になりますが、不動産に対するノウハウや知識がないと難しく、不動産会社が持つデータや知見の活用が欠かせません。

オーナー様自身が大まかな経営方針を立てて、その実現に向けた具体策を不動産会社との連携で作り上げていくのが最も効率的な方法だと言えるでしょう。

そのためには、ベストパートナーとなる不動産会社の選定が重要になります。土地活用の提案から運用・管理までトータルでサポートしてもらえる不動産会社を見つけ、成功へつなげてください。

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